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13R 他団体

 私は何事も無かったように服を着た。中谷さんが一部始終を見ていたことなど全く気づかないまま……。


『1.4東京ドームに番外戦勃発!! NJWPとジャパンレディース対抗戦!! か?』
 いかにもスポーツ新聞的な見出しで、沙希さんと長谷川さんの見事なクロスカウンターが一面を飾ったのは次の日の夕刊だった。ジャパンレスリングプロフェッショナルの試合を差し置いて観客席の珍事を一面にするあたり、さすがスポーツ東京。このことはNJWPの社内でも問題になった。
「沙希!! あんた、なにやってんの!? デカデカと一面割いちゃって!!」
 沙希さんが社長に呼び出され、大目玉を食らったのはその日の夜だった。
「マスコミがこんなことを取り上げちゃうと、話に尾ヒレがついちゃうのよ!! これはウチだけの問題じゃないのよ!! だいたい、こんなどこの馬の骨ともわからない団体とやりあったところでウチには何のメリットも無いんだから!!」
 沙希さんは何も言い返せず俯いていた。林さんに案内されて長谷川さんが社長室に入った事にも社長は全く気づいていない。
「馬の骨……ですか」
 と言う声に社長は初めて長谷川さんに気づいた。
「え? み・美幸! どうしたの!?」

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