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12R バトル・ロイヤル

 中谷さんだから助かったんだな、私だったら地に足がついていて失格だな……。
 中谷さんは、ロープに掴まる手を引き剥がそうとする吉田先輩を逆に場外に引きずり落として(失格)這い上がってきた。そして一目散に私の所に駆け寄る。
「あ〜、危なかった。ただいまぁ」
「お・お帰りなさい……」
 そのころ、場外で
オバサンの卑怯者!
「オバサンはやめい! それに戦いの世界には卑怯なんて言葉は無い!」
 と言う晶ちゃんと社長の声が聞こえた……。

「愛ちゃん、あのね……」
 中谷さんがなにやら私に言ってきた。
「はぁ……。解りました……」
 私は答えると、中谷さんを後ろから抱きかかえてグルグルとその場で回り始める。遠心力で中谷さんの体がほぼ水平になった。ジャイアント・スイングの逆バージョンのような感じだ。中谷さんの足に当たってしまった先輩に、他の先輩たちが覆い被さってとどめを刺す(!)。



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