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最終章・前編

「それにしても、どういう切っ掛けでゲームの決着がついたの?」
 その日、喫茶店に呼び出されたミノルは直子に質問される。
「どうって……。まあ、いいかげん、そろそろいいかって感じで」
 コーヒーを飲みながらぶっきらぼうにミノルは答えた。
「それよりお前、星利奈ちゃんはいいのかよ?」
「あぁ、今日は、心優しいお姑さまにお願いしたから」
「なんかその言い方、トゲがあるな……」
 等と話しているうちに時間が過ぎていった。
「じゃあ、今日はこのへんで」
 言いながら立ち上がって、テーブルに置かれた伝票を手に取る直子。
「お・おい、なに伝票持っていくんだよ? 割り勘でいいって!」
 ミノルが慌てて、レジに向かおうとする直子を呼び止めた。
「いいよ、今日はあたしのおごりで」
 直子は、ミノルのコーヒーよりも遥かに高いパフェを注文していた。割り勘にするとミノルは損をして自分は大幅に得する事になるのだが、それでは余りにも良心が痛む。そこで自分のパフェ代を払うのなら、コーヒー代もついでだという感じで「おごり」と直子は言ったのだ。
「じゃあ、せめて俺のコーヒー代くらいは……」
 ミノルの言葉に直子はにっこりと微笑んだ。

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