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第六章

「どうせなら直子さんの旦那さんも呼んだら?」
 星来が何気なくミノルにとってとんでもない事をいう。
「〜!(ただでさえ狭いのにこれ以上人を呼ぶな!)」
 抗議したくても二人に口をふさがれて声も出ない。
「そうね、それはいい考えね〜」
 直子が頷くのでミノルは大いに慌てた。
「〜!!(やめろー!!)」
 しかし、この後の
「でもダメだわ。今あたしと旦那は戦争中だから」
 という直子の言葉に、ミノルは内心ほっとした。

 数十分後、ミノルの家にさらに約一名(恵の彼氏)が加わった。
 彼はミノルと星来に気付くと驚きの声を上げた。ミノルと星来も彼の顔を見て驚きの表情を隠せないでいる。かつてバレンタインデーの数日前の飲み会で、パーティーを企画しながらみんなに無視された例の彼がその人だったからだ。
「ミノル? なんでここにいるんだ?」
「ここは俺の家だ! それより、お前、彼女はいない一人身だとバレンタインのときには言ってたじゃないか。いつのまに付き合ってたんだ?」
「それはこっちの台詞だよ! あれだけ仲の悪いお前と星来ちゃんが何故一緒にいる!?」
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