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第六章

 その日星来は、ミノルに番号を聞いて直子に電話をかけていた。
『どうしたの? あたしンとこに電話するなんて珍しいじゃない』
「あの……、アイツのことだけど」
『アイツって?』
 一瞬口ごもる星来。
「えっと、ミ……ミノル……」
『あ〜あ〜あ〜、“ヤツ”ね。どうしたの?』
 直子はケラケラ笑いながら答えた。
「アイツって、私のことどう思ってるのか、直子さんは解るかな……?」
 星来の問いに
『好きなんじゃないかな』
 直子は即答した。
「どうしてそう思うのかな」
『まぁ、付き合い長いからね〜。大抵の事なら何考えてるか位わかるよ』
「そうなんだ……」
『あ、ゴメンねぇ、嫉妬した?』
「ううん! もし私がアイツのこと好きだとしても直子さんは別だから気にしないよ!」
『……おっけ〜い。そういう事にしておきますか』

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