もどる

第五話「電車でGO!」

 その時、小学生くらいの子供が、先生の尻尾をチョンとつついて「触ったぞ〜」と騒ぎだした。
「あはははははは」
 とりあえず笑っておこう。
 ついさっきまでは、あたしたちを遠巻きに見ていた他の乗客だったけど、子供が騒ぎだしたのを切っ掛けに恐る恐る近づいてくる。
「何かの撮影かしら」
「それにしてもよく出来てるわね〜。どこにチャックがあるか解らないわ〜」
 なんて声もチラホラ。
「……あはははははははははは……」
 とりあえず笑って……笑うしか……ないな……。










前ページ
第六話へ