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第五話「電車でGO!」「ただいま〜」お父さんが帰ってきた。居間でテレビを見ていたあたしは「おかえりなさい」と答える。 「春美〜、お土産だぞ〜」 お父さんが機嫌よく大きな袋をあたしに差し出した。 「え? なになに?」 受け取ったあたしは、袋の中から大きな包みと小さな包みを取り出す。開けてみると、ゲーム機とドラゴンクエストのソフトだった。 「なんでも、今話題のゲームらしいな。どんなもんかと思ってゲーム機と一緒に買ってきた」 上機嫌で笑顔のお父さん。 「店で、ドラゴンなんたらとそれが遊べる機械をくれと言ったら、店員がこれだと言ってね。でも思ったより安かったな」 「…………」 「どうした、春美?」 「お父さん……」 「?」 それ、絶対騙されてるよ!! と心の中で叫んだあたしであった。 ゲーム機はスーパーファミコン、ソフトはドラクエI&II。いったいいつのゲームなのよ。まあ、元祖ファミコンとファミコン用ドラクエでなかっただけでも良しとするか。あ、でも、それならそれで、今だとプレミアついてるかもしれないな。だけど「ふっかつのじゅもん(パスワード)」をメモするのは面倒臭いよな。って、ドラクエ第一作目が出た時はまだ生まれてなかったあたしがなぜそんな事知ってるんだ? |
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