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第三話「学校へ行こう」

 どうしてこんな事になっちゃったんだろ……。

「春美──!」
 校舎のほうから友達の叫び声が聞こえる。あ、春美ってのはあたしの名前。ずっと「あたし」で通してたから名前言うの忘れてたね、ゴメン。
「中村君!」
 同じく校舎から学校の先生の声。中村ってのはあたしの名字で以下略。それにしてもありがちな名字だよねぇ。

「先生、どうしよ?」
 あたしは佐藤(ドラゴン)先生を見上げつつつぶやくように言った。

 迂闊だったよなぁ。ウチの親も、新聞の集金のおばさんも、さらには先生のアパートの近所の人も、誰一人として先生の存在に動じる人はいなかった。というか、完全に普通に接している。いつのまにかあたしの感覚も麻痺してたみたい。




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