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19R ニューホープ中編連中は美幸と戦ったら五分持ったらいい方じゃないかな」と発言したのだ。当然、内部から反発される事を見越しての発言だ。 「自分が長谷川選手に本当に通用しないか試してください!」 という選手に対して 「私に勝てたら美幸に挑戦させてもいいよ」 と沙希さんが答える事で、内部抗争のアングルを仕掛けたのだ。 そんな訳で、このシリーズ、リーグ戦を戦う前座の若手だけでなく、沙希さんまでもが連日のようにシングルマッチを強行した。そして、それらの試合で沙希さんは、プロレスの範囲を超えない程度にセメントの要素も織り交ぜた“半ガチ”っぽいスタイルで自分に牙を向く選手達に対抗していった。つまり、圧倒的な強さを見せ付けて勝ち続けていったのだ。それも言ってみれば立派なアングルだ。つまり、内部では沙希さんは誰も歯が立たないほど強い、それに勝った長谷川さんはさらに強い、こうなったらやっぱり森山さんしかいない、という風に内外に示した、のだ。もっとも、このシリーズの主役はあくまで前座の若手なので、ニューホープのリーグ戦よりもマスコミ的に大きく扱われないように気を使って、静かに行われた内部抗争ではあった。 ちなみに、本来呼ばれるはずだった外人レスラーはそのままジャパンレディースに“レンタル”した。本当だったら自分のところでやるはずだった『日本人対外人』を向こうでやってくれ、ということだ。資金的に普段は外人レスラーをあまり呼べないジャパンレディースにとっては願ったり叶ったりといったところだ。その代わりと言ってはなんだけど、長谷川さんは対抗戦第二弾まで防衛戦をしない事と、長谷川さんが外人と戦う時は絶対にタッグマッチで、シングルでは戦わない事という条件を出した。森山さんが挑戦する前に万が一王座転落なんてされたらいけないし、たとえ防衛戦でなくてもシングルマッチで負けて |
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