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12R バトル・ロイヤル

『俺がプロレス雑誌毎週買ってるのは知ってるだろ? カラー見開きにいきなり姉貴が出てたから電話したんだよ』
 とのお答え。そうか、弟もあれを見たのか……。再び赤面してしまう私であった。
『でも、でかいだけで運動神経なんてほとんど無かった姉貴がこんな事になってるなんて、マジで驚いたぞ』
「実家にいた頃からジムに通ってウェイトやってたのは知ってるでしょ?」
『まぁね。でも、まさか、ねぇ……』
「そうそう、その私が出てる雑誌、お父さんやお母さんには見せないでよね。プロレスやってる事は知ってるはずだけど、見られるのは恥ずかしいから……」
『もう遅い。親父は姉貴のページを切り取って額に入れて居間に飾ってるし、お袋は近所に見せびらかして回ってる』
「ひゃあ!」
 その時、部屋のドアをノックする音がした。と思ったら、返事をする前にドアが開けられる。中谷さんだ(中谷さんはドアをノックするけど返事を待たずに開けるのだ。ちなみに晶ちゃんはノックさえもしない)。





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