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七:メル友

 私は携帯のメールで知り合ったメル友がいる。まだ会った事は無いけど、はっきりいって彼氏にしたいタイプだ。彼なら、いざ会った時にすごいブ男だとしても気にはならない自信があるし、彼もそうだと信じている。なんていうか、彼とメールをやり取りしているだけで心が満たされるような、暖かい気持ちになれるんだ。

 今日も“ケン”君からメールが来た。
『みおピンってさぁ 彼氏とかいる?』
“みおピン”というのは私のことだ。
『いないよぉ いま募集中なのだ』
 私はすぐ返信した。程なくしてメールが返ってくる。
『そうか 奇遇だね オレもなんだよ』
 え? それってもしかして、誘ってるの?
『さすがにオレ 男だからさ 彼氏はいないよな(笑)』
 …私にもケン君にも“彼氏”はいない。それって奇遇…なの…?
 室内にいるはずの私の周りに北風が吹き荒れ、雪が肩に降り積もり始めた。
『彼女ならいるけどね』
 一気に大吹雪となり、私は生きた雪だるまへと化した。

 以後、私はメールは使用していない。
あとがき