もどる

五:松丘的昔話

 今日は昔話をしてあげようかね。
 むかしむかしある所にお爺さんとお婆さんが住んでおったそうな。
 今ほどではないけどこの頃も高齢化は深刻でね、年金だけでは暮らせなかったそうだよ。子供達は自分の生活だけを大事にしてなんにも助けてくれなかったそうな。
 お爺さんは老体に鞭打って重い芝刈り機を担いで山へ出掛けて、お婆さんは川沿いにあるコインランドリーに洗濯をしに行ったそうな。
 お婆さんが洗濯物を洗濯機に入れてお金を投入してからランドリーを出て外の空気を吸っていたら、目の前に流れている川に何やら流れているのを見つけたそうな。見てみると缶詰だったそうだよ。え? 何の缶詰かって? なんとそれが桃缶だったそうだよ。それもたくさん、数え切れないほどあったそうな。この川の上流の方に缶詰工場があったらしいから、そこから流れてきたんだろうね。
 おばあさんはその缶詰を全部拾い上げると、ちょうど洗濯が終わった頃合だったから、一緒に持って帰ったそうな。
 家に帰るとお爺さんも仕事が終わって帰ってきたところだったそうな。
 お婆さんは、缶詰を拾った事をお爺さんに話して、早速開けてみたそうな。
 そこでお爺さんとお婆さんはぶったまげたね。なんと、中に入っていたのは人の目玉だったそうだから。他の缶詰も開けてみると、指、腕の輪切り、内臓等など、一通り、人の体を構成する全ての物が入ってたそうな。最後の一つを開けてみると、組み立て説明書だったそうな。
 お爺さんとお婆さんは、その説明書を頼りに体を組み立ててみたそうな。
 すると、バラバラ死体だったはずのそれは、立ち上がって「ウガアァ!」と叫んだそうな。
 それが世にいうフランケンシュタインだそうだよ。
 面白かったかい? そうかそうか、良かったねぇ。また今度違う話をしてあげようかね。
あとがき